歴史学が好きな審神者の戯言

とうらぶに関するあれやそれ

映画刀剣乱舞の「正しい歴史とは何か」という問いが最高だった話

映画刀剣乱舞、個人的に最高でした。

ありがとうけんらんぶ。

 

 

以下、映画刀剣乱舞の内容について触れます。

まだ見ていない人はご注意ください。

※大筋のストーリーのネタバレをしています。

 

 

 

 

 


正しい歴史ってなんだろう。

 

 

あなたは
いい国作ろう鎌倉幕府、と習いましたか?
いい箱作ろう鎌倉幕府、と習いましたか?

 

1192年、源頼朝征夷大将軍に任命された年を鎌倉幕府成立とみるか

1185年、源頼朝によって全国に守護地頭が設置されたことで鎌倉幕府成立とみるか

 

数年前、日本史の教科書は、鎌倉幕府の成立は1185年と書き換えました。

教科書を「正しい歴史」と解釈するならば、歴史は書き変わったんです。

 

私も専門ではないので、詳しい経緯は知らないですが、1185年とするべきだ、という説はずっと前からあったそうなんですね。それが近年になってやっと採用された、と。

 

じゃぁ、いままでの1192年はなんだったの?!間違った歴史だったの?!

って思う人も多いんじゃないでしょうか…

 

歴史ってなんだろう。

歴史に、正しい/間違いがあるの?

 

 

「正しい歴史とは何か」

 

この答えとして、劇中で三日月宗近はこう言っていました。

(うろ覚えです)

 

「正しいとは、"誰かにとって"正しい、というに過ぎない」

あなたにとっての正しい歴史と、私にとっての正しい歴史が違うことはあり得ることだ、ということ…でしょう。

 

脚本の小林靖子さんへ脱帽しました。

これを、刀剣男士に言わせるか…

 

 

以下、映画のストーリーネタバレです。

 

 

 

みんなが知っている織田信長の最期は

「本能寺で切腹、焼死。その跡からは骨すらも見つからなかった」

 

三日月宗近が知っていた織田信長の最期は

森蘭丸によって脱出できた織田信長安土城に身を隠し、秀吉に援軍を頼んだが、秀吉によって裏切られ、安土城を攻められ死ぬ」

 

劇中では

三日月宗近の知っている織田信長の最期が「真実」です。

しかし、刀剣男士としては「歴史」を守らなくてはいけません。

 

「真実」を守りつつ、「未来で正しいとされている歴史」を守らなくてはいけない。

三日月宗近は、たったひとりでこれを背負っていたことのかと…。

 

真実が「正しい」はず。

でも、未来で、この真実が「正しい」と伝わってはいけないんです。

真実は「正しい歴史」ではない。

 

三日月宗近は、両方を知っているものとして、うまく振る舞うことを自分に課して物語を進めていきます。

 

 

映画冒頭、本能寺で、三日月宗近は、織田信長を奥の間に閉じ込めました。

誰の目もつかなくなったら、信長は真実の通りに抜け道から逃げる…と思ったのでしょう。

そして、この真実を知るのは、ここにいる中では自分だけ…そう思った三日月は、苦手なはずの室内戦(※刀剣乱舞ゲームでは太刀は室内戦になると弱くなるという設定があります)をひとりでこなしたのでしょう。

しかし、皮肉にも森蘭丸が討死してしまい、抜け道を案内する人がいなくなった。本来なら"歴史が変わってしまう"出来事。

それを真実通りの流れへと戻したのが、織田信長を外へ連れ出した時間遡行軍…に操られた"●●●●●"。

と〜〜〜〜っても皮肉ですよね!

そして、すごく熱い!!!!!!

は〜〜〜〜っ!!!痺れる!!!!

これが「エモい」!!!!!!

 

 

そして再出陣では

三日月宗近は、審神者のことも背負いながら、織田信長の歴史を守る砦になってるんですね。

背負い過ぎです。

 

長谷部が別行動となっても良し、としていたのは、真実を知っていたが故に、信長が生きてさえいれば、秀吉にコンタクトをとるはずであることを知っていたからでしょう。

だから、彼は、信長を生かして安土城に届けることを最優先事項として行動していた。

 

彼はずっと背負っていた。

正しい歴史とは何か、という問いを。

真実は正しい歴史とは限らないことを知っている彼は、正しい歴史を守るために真実を伏せたため、審神者を謝らせてしまい、そのことを気に病んでいた。

あんな風に振舞っていたけど、きっと誰よりも悩んで悩んで辛かったんだろうと思う。

誰にも真実が言えるわけなかったんだよね。正しい歴史を、正しく伝えるために。

だって、この真実を知るのは「織田信長羽柴秀吉」だけ。三日月宗近は、この事実をも守ったんだ。

 

三日月宗近すごすぎるよ。

 

 

 

この、真実、と正しい歴史を考えるのって、歴史学…の原点なんじゃないかと思う。

歴史の真実なんて、今の私たちは、タイムマシンでも完成しない限り、絶対に知ることはできない。

でも、今も残っている古文書だったりの史料から、当時どんなことが起こっていたのか知ろうとする。

どんな思いで、人々が生きて、時代を作っていったのか。

 

今残っている史料は、「昔の人が後世に伝えたい歴史」であるはずだと、私は思っている。

真実なんていくらでも隠せる。当時の人が隠してしまった真実を知ることなんて、絶対にできないだろう。

だったら、当日の人が「歴史として伝えて欲しいこと」…本当に正しいこと、それとも嘘、色々あると思う。

それらの記録から、なにが「正しい歴史」とするべきなのか。考えていくのが、歴史学なんじゃないだろうか。

 

この史料から何がわかるのか。

作成した人が何を伝えたいのか。

 

そこから、人々の生き様を、考えていく。

昔の人々の暮らし、どんな世の中だったんだろう。

古文書に嘘のことが書かれているなら、なぜその文書には嘘のことが書かれなければいけなかったんだろう?

 

きっとそれが、歴史を研究することなのかなと。

 

 

うまく言葉で表現できたかわからないけれど、

映画刀剣乱舞で「正しい歴史とはなにか」を考えてみた人が、「歴史学って面白いかもしれない」って、入り口になったらとてもとてもすごいことだな。

そう思ったし、歴史学って面白いんだよ!って、伝えたい!!

 

 

史実とか史料と照らし合わせて、映画のストーリーを書いてる人はいたので、私は私なりの史観を書いてみました。

これは私の考えです!

しかもただの学生です!

こんな考えの人もいるんだ〜〜って思ってくださると嬉しいです。

 

 

以上!

歴史学って楽しいよ!